- コラム
あなたの湘南の空き家を人気宿に!民泊スタートアップ・完全ガイド
湘南エリアに眠る空き家。その家が、世界中からの旅行者を迎え入れ、新たな収益を生み出す「人気宿」に生まれ変わる可能性を秘めているとしたら、どうでしょう。
観光地として絶大な人気を誇る湘南では、ホテルとは一味違う宿泊体験を求める旅行者が増えており、「民泊」は空き家活用の非常に有力な選択肢となっています。しかし、「法律が難しそう」「何から準備すればいいか分からない」と、一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
ご安心ください。この記事は、そんなあなたのための完全ガイドです。民泊開業までの道のりを5つのシンプルなステップに分け、専門用語を避けながら、誰にでも分かるように解説します。さあ、一緒に湘南の人気宿オーナーへの第一歩を踏み出しましょう。
STEP1:まずはルールを知ろう!民泊の法律キホン
民泊を始める上で、まず理解すべきなのが「住宅宿泊事業法」、通称「民泊新法」です。難しく考える必要はありません。まずは3つの基本ポイントを押さえましょう。
ポイント1:営業できるのは年間180日まで
民泊新法では、ゲストを宿泊させられる日数が年間で180日以内と定められています。一年中営業できるわけではないため、夏の海水浴シーズンや地域のイベント開催時期など、需要が高まる時期に集中して運営するといった計画性が重要になります。
ポイント2:都道府県への「届出」が必要
ホテルや旅館のような「許可」ではなく、比較的簡単な「届出」で事業を始められるのが民泊新法の特徴です。必要な書類を揃え、都道府県知事(藤沢市や茅ヶ崎市などの保健所を設置する市では市長)に届け出ることで、正式に運営を開始できます。
ポイント3:湘南エリアのルールは比較的シンプル
自治体によっては、国が定めるルールに加えて独自の厳しい制限(上乗せ条例)を設けている場合があります。しかし、神奈川県では箱根町の一部エリアを除き、県独自の営業日数の制限などはありません。これは、湘南エリアで民泊を始めたい方にとって大きなメリットと言えるでしょう。
STEP2:あなたの家は民泊できる?物件チェックリスト
次に、あなたの空き家が民泊施設として使えるかどうかを確認しましょう。チェック項目は大きく2つです。
チェック1:立地はOK?「用途地域」の確認
都市計画法により、土地には「住宅を建てる地域」「工場を建てる地域」といった「用途地域」が定められています。民泊は、原則として住宅を建てられる地域であれば運営可能です。
【確認方法】 お持ちの物件がある市町のウェブサイトで確認できます。「〇〇市 用途地域」と検索してみましょう。例えば藤沢市では「ふじさわキュンマップ」という地図情報サイトで簡単に調べられます。分からなければ、市役所の都市計画課などの担当窓口に電話で問い合わせるのが最も確実です。
チェック2:設備は揃っている?必須の4設備
民泊として届出をする住宅には、生活に必要な以下の4つの設備が備わっている必要があります。
- 台所
- 浴室
- 便所
- 洗面設備
長年使われていない空き家の場合、これらの水回り設備がきちんと機能するか、事前にしっかり確認しておきましょう。
STEP3:開業準備を始めよう!安全・安心のための手続き
物件のチェックが済んだら、いよいよ具体的な準備に入ります。ゲストの安全を守り、安心して運営するための重要な手続きです。
手続き1:消防署への相談と「消防法令適合通知書」の取得
ゲストの命を守るため、消防設備の設置は法律で厳しく定められています。火災のリスクに備え、まずは物件の所在地を管轄する消防署に必ず事前相談に行きましょう。必要な消火器や火災報知器などを設置し、検査を受けて「消防法令適合通知書」を交付してもらう必要があります。これは、民泊の届出に必須の書類です。
手続き2:保健所への届出
消防法令適合通知書など、必要な書類がすべて揃ったら、管轄の保健所(または都道府県の担当窓口)に住宅宿泊事業の届出を行います。
準備しておくべきこと
- 宿泊者名簿の用意:ゲスト全員の氏名、住所、職業、宿泊日などを記録する名簿の備え付けが義務付けられています。この名簿は3年間保存する必要があります。
- 衛生管理の徹底:シーツやタオルの洗濯、定期的な清掃など、ゲストが快適に過ごせるよう、清潔な環境を保つことが求められます。
STEP4:予約を勝ち取る!人気宿の魅せ方
準備が整ったら、次は集客です。数ある宿泊施設の中からあなたの宿を選んでもらうためには、「泊まってみたい!」と思わせる魅力的なアピールが不可欠です。
魅力1:写真は「明るく・広く・清潔に」
ゲストが最初に目にするのは写真です。写真の印象が予約を左右すると言っても過言ではありません。高価なカメラがなくても、スマホで魅力的な写真を撮るコツがあります。
- 天気の良い日中に撮る:自然光をたっぷり取り入れると、部屋が明るく爽やかな印象になります。
- 部屋の隅から撮る:対角線を意識して部屋の隅から撮ると、空間に奥行きが出て広く見えます。
- 画角は「横長」で:スマホは横向きに構えて撮るのが基本です。
- 小物を効果的に使う:観葉植物やおしゃれな間接照明などを少し加えるだけで、部屋の個性が引き立ちます。
魅力2:紹介文で「泊まりたい」を引き出す
写真で興味を持ったゲストが次に読むのが紹介文です。どんな人に泊まってほしいか(ファミリー、カップルなど)を意識し、以下のようなゲストが知りたい情報を具体的に書きましょう。
- Wi-Fi、キッチン用品、アメニティなどの設備
- 最寄り駅や周辺の観光スポット、スーパーへのアクセス
- ベビーベッドの有無など、ファミリー向けの配慮
魅力3:外国人ゲストへの「おもてなし」
湘南には海外からの観光客も多く訪れます。外国人ゲストにも安心して泊まってもらえるよう、簡単な英語などでハウスルール(ゴミの分別方法、騒音に関する注意など)をまとめた案内を用意しておくと、トラブル防止にも繋がり親切です。
STEP5:いよいよ運営スタート!ゲストを迎える心得
届出が受理され、予約サイトへの掲載も完了したらいよいよ運営開始です。ゲストに最高の思い出を提供し、長く愛される宿を続けるための3つの心得をご紹介します。
心得1:丁寧なコミュニケーションを大切に
予約が入ったら、感謝のメッセージを送ることから始めましょう。チェックイン方法の案内や、滞在中の質問にも迅速・丁寧に対応することが、ゲストの安心感と満足度に繋がります。
心得2:ご近所付き合いは何より重要
民泊運営で最も気をつけたいのが、騒音やゴミ出しなどをめぐる近隣トラブルです。運営を始める前に近隣住民の方へ挨拶に伺い、民泊を始める旨を丁寧に説明しておくなど、地域との良好な関係を築く努力が不可欠です。
心得3:清潔さは高評価の源
ゲストが最も重視するポイントの一つが「清潔さ」です。レビューの評価を高く保ち、リピーターを増やすためにも、毎回隅々まで清掃を行いましょう。自分で清掃する時間が取れない場合は、専門の清掃業者に委託することも有効な選択肢です。
まとめ:困ったときは専門家を頼ろう
空き家から人気宿への道のりは、決して簡単なものではありません。しかし、一つひとつのステップを計画的に、そして丁寧に進めていけば、夢の実現は決して不可能ではありません。
もし手続きの途中で分からないことが出てきても、一人で悩まないでください。国が設置する「民泊制度コールセンター」や、各自治体の保健所、消防署、都市計画課などが相談に乗ってくれます。
また、実際の運営準備や集客、ゲスト対応などを専門家に任せたい場合は、運営代行会社に相談するのも有効な選択肢です。「湘南空き家バンク」の協力会社である以下の運営代行サービスでは、あなたの民泊スタートを力強くサポートします。
専門家の力を借りながら、あなたの湘南の家を、世界中の人々の思い出に残る素敵な場所に変えていきましょう。