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【湘南の盲点】建て替えできない!?「再建築不可物件」を『負動産』にしないための活用・売却バイブル
「相続した鎌倉の実家、不動産屋に見てもらったら『再建築不可だから売れない』と言われた…」
「道路が狭すぎて、建て替えができない。二束三文で手放すしかないのか…」
湘南・県西部エリア、特に鎌倉市、逗子市、藤沢市の路地裏や、箱根町の古い別荘地において、所有者様を絶望させる言葉があります。それが「再建築不可(さいけんちくふか)」です。
今の家を解体してしまうと、二度と新しい家を建てられない――。
不動産会社からは敬遠され、資産価値はゼロに近いと言われ、「負動産」として抱え込んでしまっている方も多いのではないでしょうか。
しかし、諦めるのはまだ早いです。実は、湘南エリアにおいてはこの「再建築不可物件」こそが、安く物件を手に入れたい移住者や投資家にとって「宝の山」になり得るのです。
この記事では、再建築不可物件が生まれる理由から、そのデメリットを逆手に取った活用法、そして売却するための突破口まで、専門的な視点で徹底解説します。
基礎知識:なぜ「再建築不可」になってしまうのか?
そもそも、なぜ自分の土地なのに自由に家を建てられないのでしょうか。その原因は「建築基準法」にあります。
「接道義務」の壁
建築基準法では、原則として「幅員4m以上の道路に、敷地が2m以上接していなければならない」というルール(接道義務)があります。これは、火事や急病の際に、消防車や救急車がスムーズに入れるようにするためです。
湘南の「路地裏」事情
しかし、鎌倉や逗子、葉山などの古くからある街並みや、箱根の山間部では、この法律ができる前(昭和25年以前)に建てられた家がたくさんあります。
車が入れないような細い路地の奥にある家や、他人地を通らないと入れない家などは、現在の法律の基準を満たせず「再建築不可」というレッテルを貼られてしまうのです。
デメリットとリスク:なぜ不動産屋は嫌がるのか
再建築不可物件が「売りにくい」とされるのには、明確な理由があります。
- 建て替えができない: 老朽化しても、取り壊して新築することができません(※例外あり)。
- 住宅ローンが組みにくい: これが最大の難点です。金融機関は担保価値が低い物件への融資を嫌うため、買主は基本的に「現金で購入できる人」に限られてしまいます。
- 資産価値が低い: 土地としての評価が低いため、通常の土地相場の5〜7割、場合によってはそれ以下の価格になることもあります。
大手不動産会社にとっては、「手間がかかる割に安くしか売れず、仲介手数料も少ない」ため、積極的に扱いたくない案件となってしまうのが現実です。
逆転の発想:新築できないなら「リノベーション」すればいい
しかし、ここからが本題です。逆に考えれば、「安く手に入り、固定資産税も安い」ということでもあります。
湘南エリアでは、あえてこの「再建築不可物件」を狙っている層が存在します。
「古民家カフェ」や「隠れ家アトリエ」としての需要
新築ができないということは、「今の建物の味わいを活かすしかない」ということです。鎌倉や逗子の路地裏にある静かな環境は、隠れ家的なカフェや、創作活動に没頭したいアーティストのアトリエ兼住居として、唯一無二の魅力になります。
フルリノベーションで蘇らせる
「再建築(一度更地にして新築)」はできなくても、「リフォーム・リノベーション」は可能です。
柱や梁といった主要構造部を残したまま行う大規模な改修であれば、法的な制限をクリアしつつ、新築同様の快適な空間を作ることができます(※建築確認申請が不要な「4号建築物」の特例などを活用します)。
「土地を安く買って、浮いたお金で自分好みにフルリノベしたい」というDIY志向の移住者にとって、再建築不可物件は理想的な素材なのです。
売却の突破口:どうすれば売れるのか?
では、実際に売却するためにはどうすれば良いのでしょうか。3つの突破口をご紹介します。
① 隣地の人に買ってもらう
もしお隣の土地が道路に面していれば、あなたの土地と合体させることで「再建築可能」な広い土地に生まれ変わる可能性があります。隣地の方にとっては資産価値を倍増させるチャンスであり、最も高く売れる可能性のある相手です。
② 「現金購入層(投資家)」にアプローチする
住宅ローンが使えないなら、ローンを必要としない人に売れば良いのです。湘南エリアには、利回り(家賃収入)を重視する不動産投資家が多く注目しています。再建築不可物件は物件価格が安いため、リフォームして賃貸に出せば高い利回りが期待できるため、投資家にとっては魅力的な商品となります。
③ 再建築可能にする「裏技」を使う(43条但し書き申請など)
行政(市役所)と協議し、一定の条件(通路の幅を広げる、安全対策をするなど)を満たすことで、特例として再建築の許可(建築基準法第43条第2項の許可など)が下りる場合があります。この許可が得られれば、物件の価値は劇的に向上します。
まとめ:「再建築不可」は個性。まずは自分で市場に出してみませんか?
「再建築不可だから価値がない」と諦めて放置すれば、特定空家や管理不全空家のリスクを抱え続けることになります。
しかし、視点を変えれば、それは「湘南の静かな環境を、格安で手に入れられる」という強烈な個性でもあります。
「湘南空き家バンク」の最大の特徴は、仲介に入らず、売り手と買い手が直接取引できることです。
不動産会社に断られた物件でも、あなた自身の言葉で魅力を発信し、それを求める人と直接つながることができます。これが、古い物件や再建築不可物件でもマッチングが生まれやすい理由です。
もちろん、「再建築不可物件」は権利関係や法的な判断が難しいケースも多々あります。
「自分だけで取引するのは不安」「そもそも売れる状態なのか知りたい」という場合は、運営元である司法書士がサポートいたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
その家を「隠れ家」として探している人が、きっとどこかにいます。